40代から始める小さな雑貨屋運営ブログ

雑貨屋一人店長がお店のあれこれ綴ります。

ビビリでものぐさな私を変えた、あの人の言葉

ロッコのトドラ渓谷



 

初めてモロッコを旅したのは2013年の春。

 

その頃は十数年続けた、

人生の第一目標だった映像の仕事から足を洗い、

その後は派遣の仕事やバイトを転々としていて、

「何かをやりたいけど何をしていいかわからない」と、

自分の先行きを見失っていた日々が続いていました。

 

 

派遣の仕事の契約期間が終わったタイミングで、

少しお金と時間ができたので、

ふとこれまでやりたかったけど

なかなか機会がなかった海外一人旅に出る事にしました。

 

行き先は昔から憧れていたけど遠いから半分諦めていたモロッコ

我ながらチャレンジャーだと思いましたが、

この先体力的にも行けるかどうかわからないから、

今でしょ!」とばかりに決心しました。

 

海外一人旅とかしちゃう人は、

アグレッシブで強いイメージがあるかもしれませんが、

私は決してそういうタイプではありません。

 

初めてモロッコに行く時も怖くて、

空港に見送りに来てくれた旦那の前で泣きました。

 

ロッコの旅では専属ドライバーガイドが、

ずっと付いてくれて移動も全部車という、

ロッコ初心者に優しいプランにしました。

(お金はかかったけど、それで良かったと思っています)

 

10日間くらい、

そのドライバーガイドと行動を共にしていたのですが、

旅も中盤になって来ると、疲れが出て来ます。

 

中一レベルの英語しかわからない私は、

英語しか話せないドライバーと会話するのが疲れるので、

移動中はほとんど寝ている感じになっていました。

 

その日は午前中に立ち寄った絨毯屋で「売りつけられる!」と、

必要以上に警戒した私のおかげで、

少し空気が悪くなっていたのですが、

トドラ渓谷という浅い川が流れている場所にさしかかった時、

ガイドが「少し車を降りて一人で渓谷を歩いてみない?

僕は先の休憩ポイントに先回りして待ってるから」と私に提案しました。

 

この場所は観光スポットなので、

欧州辺りから来た観光客がゾロゾロ歩いているのが

車窓から見えました。

 

ですがこの頃はまだ、

ガイド無しで一人で歩くのが怖かったのに加え、

歩くのちょっとダルいな・・と思ってしまい、

「いや、いい」と外歩きを断ってしまいました。

 

その後、休憩ポイントのランチのお店に入り、

食事が終わってガイドが迎えに来た時に、

話しかけてもなぜか素っ気ない態度を取られました。

 

「あれ?」と思いながらも気にせず車に乗り走り出すと、

ガイドが険しい表情でこう言いました。

 

「せっかくモロッコまで来たんだからもっと楽しみなさい。

あなたは絨毯屋でも『怖い怖い』と思って

絨毯を見ようともしなかった。

僕は売りつけようと思ってたんじゃなくて、

あなたに楽しんでもらいたかっただけだ。」

 

ガイドがお客に物申す事にも驚きましたが、

私の悪い所をズバリ指摘された様でいろいろショックでした。

 

ガイドの言う通り私は「怖い」や「めんどくさい」という気持ちから、

自分自身で世界を広げようとしていない事は、

普段からうっすら自覚している部分でした。

 

それでも何とかやってこれたし、

誰もそこを咎める人はいなかったので

(いや、やんわりと言ってくれる人はいたかもな・・)、

「まぁいいだろう」とやり過ごしてしまっていた。

 

「怖い」「めんどくさい」を超えないと見えないものがあるのに、

あれこれ言い訳をしてそこを超えようとしなかったのは自分自身なのに、

そのくせ何かを欲しがって文句ばかり言っていた私。

 

ガイドの一言で頭を打たれた気がしたんですよね。

 

ガイド的にはそこまで深く考えていた訳ではなく、

ガイドの仕事として楽しんでもらいたいのに、

ノリが悪すぎる客に苛立っただけだと思いますが。

 

そこから私は反省し、旅を楽しむ様に気持ちを切り替えました。

 

でもおかげで「怖い」「めんどくさい」を超えたら、

今まで知らなかった世界を知る事ができました。

 

その後立ち寄った別の絨毯屋で見た絨毯に一目惚れし、

今の雑貨屋開業に繋がっています。

 

何よりもこれまでビビリでものぐさな自分の殻から、

少し抜け出せた感覚が心地良かった。

 

それからは何か積極的に

行ったほうがいい場面に遭遇した時、

相変わらず「怖いな」とか「めんどくさいな」が

頭をもたげたりするのですが、

そこを「えいや!」と振り切って動くと、

前に進めたりするのです。

 

自分の中の「怖い」「めんどくさい」を直視せずに

動かない人の方が大多数です。

 

なのでまずは自分の

「怖い」「めんどくさい」という気持ちを自覚し、立ち向かえたら、

周りから頭一つ飛び抜ける事ができると思います。

 

私も日々、自分との戦いです。。

 

 

 

ガイドの黄色い車。可愛かったな。

 

 

いつもお世話になっているH.I.Sさん。

旅で視野を広げてみませんか?